佐吉智明

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25.遠い日の記憶

あの日のことを思い出す
わたしのふるさとは燃えている
ひとのこころは殺されて
からだが宙に浮いている
道に転がる得体の知れない黒い塊
炎に吸い込まれた我らの魂
銃声がすべてを飲み込んだ

やつらがはは、と啼いていた
こどもがわぁ、と泣いていた

ひつじがめぇ、と鳴いていた

7/17/2024, 11:43:50 AM