私は大きな国の王女である。
父と母はどちらも美形で綺麗な顔立ちであり、国の王らしく華やかで輝いている衣装を纏っている。
父は母と違って、陽気で明るい性格であり、宴会を開くのが好きだった。
母は父と違って、細くて横に長い美しい瞳をし、静かに佇んで難しい本を読んでいる。
その違った美しさから、
国民の間では、「国の太陽と月」と言われているらしい。
そんな夫婦の間に生まれた私は、父母譲りの顔立ちであった。
両親はそんな自分が大切で何かあると困るため、私をなかなか外には出してくれなかった。
私は陽の光を体いっぱい浴びたいと言っても、
白い肌が美しいわと丸く収められてしまう。
次期王のため王女である私に、何回もよその"私と同じような人"を紹介してくる。
どれもみんな私の姿ばかり。私の外に出たいという願いや、悩みをわかってくれる人なんて現れなかった。
……あの人以外は
どんな有名な国の王子より、私は惹かれた人がいた。
いつものように城内のベランダから外を見ていた時、1人の男の子が見えた。
自分と同じぐらいの歳の男の子は、遠くの私の方を見るなり、男の子の傍にそびえ立つ大樹に飛び乗り登り始めた。随分と高い所まで登った彼は、そこから城内の壁を乗り越え、城内の木にまた飛び移り、ベランダの方まで登ってきた。
私の目の前に来た彼。ついさっきまで城外の遠いところにいたのに、すぐここまで来た。
私は驚いて何も言えなかった。
「ねぇ。一緒に遊ばない?」
彼が不意に聞いてきた。
私がキョトンとしてると、彼が微笑んだ。
「ごめんね。いけないことだとはおもっているんだけど、どうしても誘いたくて。」
「なぜ?」
私は聞いた。すると彼は少し驚いたのか、目を大きく開けた。
「なぜって…。君がとても寂しそうな顔をしていたから。」
!私はその言葉に思わずハッとした。
初めてだ。自分の悩みを、苦悩を分かってくれたのは。今目の前にいる、なんの変哲もない彼が初めて。
「だからさ、一緒に遊ぼうよ。僕が"外"につれていってあげる。」
真夏の季節。ジリジリと照りつける太陽の下、太陽よりも明るい笑顔の君に心奪われた。
太陽の下で
11/25/2024, 1:03:09 PM