些細なことでもときめく。
恋をしたから。
私は貴方に恋をした。自分でも嫌になるほど。けれど、貴方は気づいていない。
私もアピールしていないし、する方じゃなくて、いつも私は受け身だから。
だから、この恋はいつか終わる。自分の中で完結する。
傷付くけど、自分で終わりにする。
こんなことで、いいのか?
良くないけど、今も、ずっと、変われない。
駄目な私。
「はあー、重い……、」
ダンボール一杯に入った資料とかの紙類。
持てなくはないけど、ずっと持っていくのは辛い重さ……。
「でも、あともう少しだから、」
そうもう一度持ち上げようとした時
「持つよ。会議室で良いんでしょ?」
後ろから声をかけて、軽々重いダンボールを持ったのは、私の片思いの相手だった。
ほんと、かっこいい。
「ありがとう、持ってくれて」
「ふっ、良いよ。力持ちは、男に生まれた奴の特権だからさ、」
「ははは、女の子だって力持ちな子は居るし、男の子だって、力が弱い子はいるよ?」
「ま、そうだけど。俺はその特権を持って生まれたから、使わないと。自分だけじゃなくて、誰かにも」
……優しい、素敵な人。私、見る目あるなー
と、自画自賛。
「あのさー、」
「何?」
あともう少しで会議室だ。
「もし良かったら、今日、予定なかったら、」
「あはは、何なの回りくどいっ」
私は何となく、彼の言うことが予想できたような気がした。
だから、私から、勇気を持って、
「今晩、一緒にご飯食べに行かない?」
「、………?…、……えっ!、?」
彼の図星、という顔を見ながら、やっぱり好き、という気持ちと私、偉い!という気持ちが心いっぱいになった。
「返事は?」
「え、あ、あの、も、もちろん…、」
始まりの音がした。
9/4/2023, 12:09:10 AM