『夢見る心』
夢を見る。彼女が投げたブーケの花が舞う様を。ひらり、ひらりと舞う花の中でひときり綺麗に笑う彼女を。奥で鳴り響く鐘の音の祝福に、皆からの祝福。語られる美談にそっと顔を伏せる自分の姿。
夢を見る。檜の香る新居で、柔らかい彼女の頬を撫でて、澄んだ瞳に笑いかけ、電気を消すところ。きっと君は手を握りしめて、頬を赤らめて、「また明日ね」と言って幸せそうな顔で寝るのだ。
現実を見る。花の置かれた机に、絶望する君。近づくと、私から絶望を隠すように偽りの希望を纏う君。大丈夫とか、私が居るからとか、言葉をかける度に彼女の頭が私でいっぱいになっていくのだ。いつか。彼女は助けを求める。誰でもない私に。机に花を添えた私に。
夢見る心は、あと少しで花開く。
4/17/2026, 8:37:45 AM