よつば666

Open App

お題『部屋の片隅で』

 1日めの夏季補習から家に帰り、自分の部屋へ行くと部屋の片隅で黒い塊が見えた。
不思議に思った大神は、部屋の照明を点け確認してみるとそれは自分の掛け布団だった。
その布団は大きく丸く膨れ、時折ゴソゴソと動いている。
大神は溜息をつき、丸くなっている掛け布団を勢いよく剥ぎ取った。すると中から小柄な少女が現れた。

大神「小真莉(こまり)。俺の部屋で何してんねん!」

小柄な少女、小真莉は瞳に涙を溜めて今にも泣き出しそうな顔をして上目遣いで大神を見た。

小真莉「朝、起きたらお兄ちゃんが居(お)らんくて待ってた……。どこ行ってたんよ!!」

大神「どこって!?昨日、晩御飯の時言うたやろ。兄ちゃん、補習に引っかかって3日間、朝から学校行かなあかんって!」

小真莉「言うてない〜っ!?ホンマは学校行かんと、女の人の家行ったんやろ!!」

大神「はぁ!?何でそうなるんや。訳が分からん!!お前朝から変な昼ドラでも観とったんか?」

小真莉「観てへんわ!韓国ドラマやし!」

大神「一緒や!!」

大神小真莉(おおがみこまり)、10コ下の妹。極度のブラコンで母親と赤ん坊以外の若い女性は全て敵だと思っている。夏休みに入ったので毎日兄と遊べると思っているようだ。

End

12/8/2024, 6:33:25 AM