「私のきらめき、最後まで見逃さないでねーーっ!!」
これが私の決め台詞。
真っ白な肌にハシバミ色の瞳と、同じ色の艶やかな髪。
この地上に降り立った私はたちまち彼らの人気者となった。
曰く、宇宙イチ儚げな美少女。
曰く、宇宙イチきらめくアイドル。
曰く──、宇宙イチかわいい地球外生命体。
私の仲間にいつの間にか居候してた彼らは、自分たちのことを「ニンゲン」と名乗っていた。
最初は私のことをそうやってもてはやしていたニンゲンたちだけど、ちょっと目を離した隙に残らずいなくなってしまった。あんなにいたのに、いったいどこへ行ってしまったのだろう。ほんの数千年ほど、仲間とおしゃべりしてただけなのに。
「だからさあ、僕の上で勝手に居候してるやつらは、僕らと違ってすぐ死んじゃうの。それこそ、まばたきしようとして瞼をほんのちょっぴり閉じかけたくらいの時間でね」
「えー、ウソ! そんな早く死ぬわけないじゃん! だってアンタは寿命100億年くらいの予定でしょ? 1000億年以上ある私には全然及ばないけど、まだまだ元気じゃん」
私の仲間──「地球」はため息をついたけど、私は信じない。ほら、そうやってコイツが風を起こすからニンゲンたちは隠れちゃってるんだ。
「ほらー! 隠れてないで出ておいでー!! この私、赤色巨星アイドルのきらめきを最後まで見届けてねー!!」
20240904.NO.43.「きらめき」
9/4/2024, 2:10:42 PM