バズ母

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踊りませんか?

「一緒に踊りませんか?」
と、言われた。踊れるわけがないと思った。私は1年前、交通事故で脊髄を損傷し、今は車椅子生活である。リハビリ病院に入院し、やっと家に帰れたばかりである。そんな私に、障害者施設の職員は社交ダンスをやらないかと進める。社交ダンスはステップが重要だ。動かない足でどう踊れと言うのか?
一度、見学に行かないかと言われ、車椅子ダンスをやっている施設に見学に行った。
魅了された。皆、美しく軽やかに、そして楽しそうに踊っている。車椅子の女性を、健常者の男性が見事にリードしている。
車椅子ダンスは助け合ってこそ成り立つダンスである。やってみたいと思った。

そして私の車椅子ダンス生活が始まった。まだまだ、未熟ではあるが、車椅子ダンスを通じて社会参加し、そして、誰もが魅了するダンサーになりたい。

「踊りませんか?」
「もちろんです」、、、。

10/4/2023, 9:26:48 PM