薄荷

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そのホームランは、まるで太陽だった。

‥‥

今季、チームは下位に低迷していた。
怪我人も多く負けが込み、今月はまだ1勝しかしていない状態だった。
決して誰も諦めてはいない。
諦めてはいないが、そこに漂う空気感は去年までのものとは少し異なっている様にも感じていた。

しかし今日は違った。
0-0で迎えた2回、走者を1塁に置いて次の打者が放った打球は、まるで闇を振り祓うかのように美しい弾道を描いてライトスタンドの上段へと吸い込まれていった。

それは光だった。
このホームランがもたらしたものは2得点だけではない。
チームと、そして応援をするファンの心に熱と希望と栄養を照らしつけたのだった。





(このホームランからしか得られない栄養素があるんです!)

8/6/2024, 5:05:24 PM