渚雅

Open App

ふと、疲れてしまう時がある。

たぶんそれは、普段目を逸らしている『疲れ』というものを認識してしまった瞬間なのだと思う。


吐いた息が溜息になってしまうこと。視線が下を向いてしまうこと。朝起きるのが億劫になってしまうこと。食事すらも抜きたくなってしまうこと。

日々を丁寧に一歩づつ歩んではいても、どうしたって、どうしようもなく、蹲って殻にこもってしまいたくなる。そんな瞬間がある。


(呼吸ってどうやってしたっけ)

無意識に前を向いて。無意識に努力して頑張って。無意識に限界を視界外へ追いやる。

その、無意識だって、労力は必要なこと。それは変えられようのない事実で。でも気づいてしまえば動けなくて。そんな瞬間に自分が今何をしたいのかが理解できなくなる。

やらなくちゃいけないこと。するべきこと。片付けるべきもの。したほうがいいこと。etc....... それらはわかる。動け、と 脳は指示を出してくる。

でも、やりたいこと、目標、夢......そんなものを見失って。自分の立ち位置がわからなくなる。


(そもそも、なんで、息、しなきゃいけないの)

Should,
Must,
Need,

主語すらない。理由も知らない。望みもない。なのに何故……


(……わからない、や)

答えは未だ知りもしない。

それでも、盲目の目で眩いばかりの朝日を認識した。今日がまた始まる。


□■□■□■□■

テーマ; 暗がりの中で

10/29/2024, 4:54:33 AM