22時17分

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木漏れ日。

ネットで検索をかけてみると、日本語でしか表現できない繊細な美しさが込められているという。
英語だと「Sunlight that filters through the leaves of trees」。
木々の枝葉がフィルターとなって、森に降り注ぐ日光を細かく刻んでいく。もちろん枝葉とは、高さや木の形にしたがって階層になっているわけで、葉の数量は均等でない。葉の表面の模様に従い、細かく反射する。地面に到達する頃には独特の光加減となって、やわらかい雰囲気になってくれる。

森林浴なんて、人生でやったことは3回もないのだが、想像できるのはとても良いことだ。木漏れ日の空を見上げると、そこには無数に散らばる陽の光の雨が。
雨宿りならぬ日射宿り。
イメージとしては、ジブリ作品のトトロみたいな鬱蒼とした森。何か、祀られた重鎮の、そのお膝元である林道にて。古びたバス停留所がある。
バス停は、掘っ立て小屋が付属している佇まい。
小屋は、本来は別の目的で建てられた感じ。その昔、石地蔵の祠が居て、それが撤去されて小屋だけ残った。転用してバスを走らせた。以降、忘れた時代を二つ三つ。この、阿婆擦れ加減の長寿命。
ちょっと風で揺らしたら、もう原型なく崩れ去るだろう。みたいな、ふらふらとした立ち姿。

一歩入ってから、頭上を見上げてみる。屋根裏は夜の空の薄雲のように、蜘蛛の巣で蹂躙と化している。
外側の横や屋根は、虫で喰われた隙間や風雨と風化で脆くなってしまった木材の塗装が。有り体に言えば、剥げてしまっている。釘とかも飛び出たまま。危ないまま、今まで放置されっぱなし。
そんなバス停の小屋としての役目は終わり、既に廃線となって、いつまで経っても、いつまで立っても、バスは来ない。と思っていたら、バスが来る。

まあ、そんな架空を書いたんだけど。
あとでトトロのバス停見たら、小屋なかったわ。
バス停の、あの置物だけ置かれている。上が丸っこくて、「稲荷山」みたいなのが書かれてあるやつ。
そういえば、図体のでかいトトロがドシンと揺らして、でっかいハスの花でドドドと雨粒受け止めてたな。
まあ、シーンとして描かれませんでしたが、アソコが木漏れ日である可能性は、無きにしもあらず。

5/8/2025, 9:59:34 AM