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「───?」

 真っ暗闇の中なのに蝉の声がよく聞こえる。
 ここはどこだろうか。
 僕は一体何をしていたんだろうか。

「──! ──?」

 無性に熱いと感じる。 
 ああ、これは懐かしいと感じさせる。ジワジワくるこの熱さは去年でも嫌というほど受けてきた。
 夏の暑さだ。最近地球温暖化とやらで気温が上がりっぱなしで、七月でも35度を超えるとか。

「────!」
(誰かが……僕を呼んでる?)

 《《意識が無くなりかけていた僕は》》そこで誰かに呼ばれていた事に気付く。
 
 気付いてから変化はすぐに訪れた。
 まるで終わりに向かっている様な真っ暗闇が光で照らされて……

「◯◯くん、おきてー!」
「うわっ!?」

 大声で起こされた。
 驚きながら周りを見ると学生が沢山。それはそうだ。ここは僕が通っている学校の教室なんだから。
 
「やっと起きた」

 大声で起こされた僕が困惑しながら周りを見ていると、女の子の顔が強引に視界に入ってくる。
 オレンジの髪に整えられた可愛げのある、見覚えのある顔。
 さっき僕を大声で起こしたクラスメイトの美和だった。

「あれ、何で美和が?」
「何でって、ここ学校だよ? いるに決まってるじゃん。どうしたの、何か気が動転する事でもあった? ◯◯がボケるなんて珍しいよ」
「気が動転……?」

 ああ。確かにある。アイツを庇うために市民に殺されそうになったり、化け物に殺されそうになったり……。

(あれ、そんな事あったか?)
 
 僕は一体何をやっていたんだろう?

 
 

7/18/2023, 3:38:49 AM