じゃかりこさらだ丸

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『鳥のように』

ぼく、飛べないんだ。
幼いながらにそんなげんじつをつきつけられた。
そんなはずないよ。ぼく、飛べるもん。だって、まわりのお友だちは楽しそうに飛んでるよ?
どうあらがっても現実は変わらない。毎日、毎日、がんばった。ここからジャンプしてがんばった。でもすぐに冷たい水が僕をおおう。それでもぼくはあきらめない。お母さんにも、お友だちにも「無理だよ。諦めな。」
と言われた。それでも、それでも飛びたい。
ただがんばるだけじゃだめだと気付いた。僕は、お友達に聞いてみる。 どうしたら飛べるの?なんで僕は飛べないの?教えて! するとお友達は暗い顔をする。そして、
「君は、飛べない。そう言う運命なんだ。」
と言う。いっぱい聞いたけど、皆"飛べない"と言ってくる。だったら僕はたくさん見てやる! ひたすら見てはやってみる。それを繰り返した。何回も何回も繰り返した。飛ぶ前に足に力を入れる。でも僕は足が短いからもっともっと力を入れる。そして、手。一生懸命手を振る。沢山振る。
遂に、身体が空へ舞う。でも、力を抜いてはいけない。ひたすら、手を振る。その手は何時しか翼へと変わっていた。

これは飛べる鳥を目指す、ペンギンのお話。

8/21/2022, 10:55:46 AM