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〜すれ違い〜

秋の運動会
体感的にはほとんど冬の始まりくらいの気温で風が吹く度に身を竦めていた。
さっむ…
「寒すぎ、いぃ…ひっつこ」
彼は俺の親友だ。
そして片思いの相手
話は変わるが寒がりで今日も学校に来る時はマフラー、手袋そしてカイロと暑そうな格好をしているのにまだ寒いと言うような《極度の》寒がりだ。
いまさっきリレーを終わらせて少し体が温まったかなと思ったら一気に冷えてしまった。
「お疲れ様、そんなに引っ付いて寒いの?」
先輩が近ずいて来たが半袖に体操ズボンと寒くないのだろうか。
「先輩寒くないんすか?」
ガタガタと歯を鳴らしている音がすごく近くで聴こえる。
俺もちょうど思ったことだったから彼が先に聞いてくれて助かった(?)
寒くないわよ、情けないわねと残して先輩は次の競技の準備をしにそそくさと帰って行った。

「○○は暖かいなぁ、背中寒いけど」
俺は背中が暖かい、そして頭の中心が痛い。
俺と彼はかなりの身長差があるため彼は少し屈むような形になる。
おかげで俺の頭上に覆い被さるように体を任せられているからついでに重い。
でも、全然苦しくなくて逆に居心地が良かった。
暖かいな……
とぼそっとつぶやくと、彼はん?っと何も聞こえなかったのか聞き返してきた。
不意に誤魔化すが動作が怪しかったのか頭上にはてなマークが出ているように見えた。
「○○って子供体温だよな〜平熱高いだろ」
なっ…気にしてるのに…
子供体温なのは正しいし俺の平熱は36,8と意外に高い。
冬の湯たんぽと真冬になると俺は周りのヤツらにベタベタと引っ付かれるが彼以外はなんだかゾワゾワしてしまう。

(次の競技は……)
とアナウンスが流れる。
さっきの先輩はこの競技に出場するらしいので見てないと感想を聞かれるかもしれないと見える位置まで移動しようと彼から離れようとする。
ガシッと腕を掴まれたかと思うと抱き寄せられる。
突然の事で頭が真っ白になりボンッと脳内が爆発するような感覚になった。
きっと今は耳まで真っ赤だろう
「……き」
と言うと彼は何事も無かったようにクラスのテントに走って戻ってしまった。
でもよく見ると耳が赤くなっているような気がした。
へ……?い、今なんて…
もう一度もう一度と思い出すがやはり《き》としか聞こえなかった。
そしたら謎耳まで赤くなったのか、あの頃の俺は不思議に思いながらテントに歩いて帰った。

「好…き…だよ」



一言
まだ4作しか書いてませんが、意外と沢山の方に自分の書いた物語を読んで貰えて嬉しいです、全く面白みもないし死ネタ多めだったので今回はハッピーエンド?的な感じの物語を書きました。
皆さんの作品を見てると自分ってまだまだだなぁ🌱 ᐕ)ノって思わされます、これからも頑張りますので良ければまた見てください

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10/19/2022, 10:30:13 AM