能力者になりたい佐々木海星(偽名)

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【終わりなき旅】
 私は鈴仙・優曇華院・イナバ。月のうさぎである。都は地球からみて月の裏にある。そこでは昔、みんなが協力して暮らしていた。しかし、今は違う。文化の違いや考えの違いにより紛争が起きている。今は都は大混乱。政府が2つに分かれそれぞれが戦争状態。あのときの平和な生活はどこへいったのだろうか。私はうさぎのA民族。もともとB民族が住む街に暮らしていた。仕事は都にいる八意師匠の手伝いだった。だけど師匠は規則に違反するようなことを行い、地球に降りたらしい。そのためその後は普通の職場に入って仕事をしていた。戦争が始まってからはB民族の街から抜け出すのにとても時間がかかった。途中捕らえられたり、追いかけられたりした。自分よりも大切なものを失ったが、家族の最後の言葉「生きて。」が私を繋いでくれた。助けれなくてごめん。逃げてごめん。罪悪感を抱えながらも必死に逃げた。行き場がない。どこに行けば…。と途方に暮れていた。
狐「どうしたそこのうさぎ。私が助けてやろう。」
私はハッとし、その相手と対面した。
狐「そんなに怖がらなくていいぞ。」
狐様。この都の上層部にいる人材。今はB民族側に居る人物。なぜここに?
狐「何か喋ってくれないか?」
優曇華「なぜあなたのような人がここに?」
狐「私はこの都の上層部にいる者だ。それは君だって知っているはずだ。そして私と君は敵。それは気配でわかるが、君をみたとき何か見覚えがあって。どこかで会ったかな?」
優曇華「どうでしょうね。私はわかりません。」
私はしらばっくれる。結構前、師匠と仕事をしていたときに見たことがある。師匠とこの人は民族が違えどとても仲が良かった。だからなんだという理由である。話したこともないし目を合わせたこともない。結局私は印象の薄い存在で、私自身も関わろうとしなかった。さぁ、ここからどうしよう。
狐「んーーたしか。私の記憶が正しければ、八意の弟子じゃなかったか?」
気づかれたか。逃げるしかない。この場から逃げよう。
狐「まて。君に一つ提案がある。君はまた、八意に会いたいか?」
私は立ち止まる。師匠…か。会いたい。理由はたくさんある。まず、規則の違反。なぜそのようなことをしたのか問いたい。そして、取り残された私の気持ちをぶつけたい。最初は優しかった師匠がそんなことをするはずがないと思っていた。そう信じたかった。
優曇華「会い…たいです。会いたいです。」
私は狐様の方に目を向ける。
優曇華「どうしたらいいですか?」
私の顔はグチャグチャになっていた。いろんな気持ちが入り混じった顔になっているだろう。他すべて失った私に残されてるものなんて師匠だけだった。
狐「そうか。私も会いたいさ。でも、私には世界を引っ張る責務がある。君だけにでも八意の場所の行き方でも教えよう。」
ここから長い旅が始まるのであった。
                   last end

5/30/2024, 1:28:27 PM