「星に願いを、ねぇ。流れ星って宇宙の塵でしょ?そんなのに願っても何も叶わないんじゃないの?」
少女は教室の机に頬杖をつき、気だるそうに窓の方を見ながらそう言った。
窓のカーテンが静かな教室の中、優しい風に吹かれてゆらゆらと穏やかに揺れている。
「もーそういう事言わないでよー。」
ぷんぷん、と可愛らしく頬を膨らませた彼女は、少女の昔から仲の良い幼馴染だ。
「だってそうでしょ?そんな願ってる暇があるなら願い事を叶える準備やら何やら出来るんじゃない?」
「ぐぬぬぅ、この現実主義者め…。」
少女は、頬杖をついていた方の手を机に下ろし、彼女の方を向いた。
彼女は少し悔しそうな顔をしていたが、嫌な顔はしていなかった。
「まあ、こうやって私たちが話してるのも、私から友達になろうって言ったからだし、行動した方がいいって事だね。」
少女は彼女の顎をくいっとあげてふっと笑った。
「今は、友達以上になったけどね。大変だったよ。」
刹那、彼女の顔がぼっと赤くなり、薔薇色に染まった。
静かな教室の中、まるで2人を祝福する様にカーテンがゆらゆらと揺れていた。
4/26/2024, 8:35:05 AM