終わらない物語
物語には、「終わり」がつきもの。それは本当のことだ。
そのなかで、環境によっては「終わりに限りなく遠い命」と呼べるものがある。それは。
――大樹。
それは、そのものにより何千、何万。もしかしたら何億後年と、その場所に在るもの。
その場所が何らかの形で変化さえなければ。また、人々が大樹が在ることを望む限りは。
この際、「植物に命があるのか」という論は置いておこう。
そうして、大樹は見守る。人々の行いを、営みを。生と死の狭間を。
それこそが、終わりのない物語、と言えるのかもしれない。
そうそう。我が家にも、それに近く生きる命がある。玄関のアロエだ。
暖かくなれば、外に出して生き生きと。しかし寒くなって、玄関の内にしまうのをうっかり忘れると、ほぼ枯れ果ててしまう……かのように見えるが。
そこから一月もすると、枯れた茶色が、いつの間にか少しずつ、綺麗な緑へと変化していくではないか。
きっと我が家のアロエも、自身が死の淵と生の狭間を彷徨い、毎年生還しているのだ。
ああ、なんて強さだろう。申し訳ない。
1/25/2025, 11:55:18 AM