桜の花が舞い落ちていく景色を僕たちはいつの日か一緒に並んで見ていた
今となってはそのほとんどが嘘になってしまったけれどその言葉を心から伝え合っていく
ふと見上げると君に見せたいくらい綺麗な空が広がっている
目を閉じて耳をすませば僕の耳には今でも君の声が聞こえる
僕が君を抱きしめても君は春のはなびらのように僕の腕をすり抜けていく
一瞬の出来事で、忘れたくないと願って何回も何回も過去を巻き戻して腕をすり抜けられない関係の君と会ってもう一度恋をしたい
そしたら今度はもう離さないと誓うから
歩道橋の上にも横断歩道の向こうにも駐車場の緑のフェンスの前にも僕の周りのいたる所で君との想い出で笑顔になる
けれど、それと同時に『ずいぶん住みにくい街になったな』と思い呟く
『君には言い忘れたけど僕は君のことがまだ好きなんだよ』
ひとりでそうつぶやいたけれど、君への想いが溢れでる
もう一度君を抱きしめて僕の腕をすり抜けても今度は絶対に離さないと誓うよ
今度こそ嘘じゃないから
僕の前に枯れ落ちた花が君と離れたあの日と同じ風に吹かれた
けれど、僕と君の終われなかった恋をつれていくように今舞い上がっていく
その風に導かれるように君の元へ駆け寄る
そして僕は君を抱きしめ僕の腕をすり抜けないように強く抱きしめて伝える
『今度はもう離さない。』
はなびら/backnumber
4/4/2025, 1:28:33 PM