きらめき
まるで瓶に詰めた飴玉のよう
ただの飴玉ではない
しゅわしゅわする飴玉だ
わたしが幼い頃
わくわくと目を輝かせ
どきどきと胸を高鳴らせた記憶たち
幼稚園のお庭から空を見上げ
流れる雲の速さに思わず目を奪われたこと
近所の公園にある階段に座り
夕日に照らされながら鐘の音を聞いたこと
祖父母の家がある田舎へ行き
日常と非日常の併存の不思議を感じたこと
あの頃のように
力いっぱい遊ぶことはできるか
あの頃のように
屈託のない表情を浮かべられるか
あの頃のように
「今」しか考えずに生きられるか
現在の私よ
飴玉の詰まった瓶はまだ持っているか
傾けるとコロコロと鳴り
光に透かすとキラキラ光る
口に入れれば
思い出話に花を咲かせるよう
炭酸の音を立て
ゆっくりと丁寧に語るよう
静かに溶けていく
忘れちゃいない
忘れはしない
だって
大事にしまっておいたままだろう?
9/4/2022, 3:47:40 PM