照守皐月

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新しいことをいっぱいしようと思う。

新年というのは年の始まりで、それこそ新しいことにチャレンジするにはとっておきのタイミングだ。わたしは今まで「どうせできないし」で色んなことを先延ばししてきていた。でも、そういった生活をやめ、新たに活気的な活動を始めるのも悪くないかもしれない。

まず、ペンをとり、画用紙に向かった。昔からイラストを描いてみようと思っていたのだ。でも「どうせ上手く描けないから」という理由でやめていた。でも新年だから挑戦してみてもいいだろう。

適当に線を引き、人型を形作る。歪な線だった。ガタガタと震えているし、ところどころ歪んでいる。これじゃあ駄目だということでペンを置き、紙をぐじゃぐじゃに丸めてゴミ箱へと投げ捨てた。やはり絵描きは向いていなかったようだ。まあ、そのことを知れただけ良しとしようか。

次はランニングをしてみることにした。運動というものは苦手だったが、ランニングならなんとかなるだろうと思った。早速屋内施設──市民体育館──に向かい、適当に走り始めた。

最初は順調だった。程よい疲れと足の痛みが「わたしは今走っている」という感覚を与えてくれた。

──しかし、それは突然起こった。

足首から大きな音がして、とてつもない痛みが襲う。なんだなんだと思って這いずりながら病院へ行くとアキレス腱が切れていた。急に運動したことが原因らしい。

はあ、とため息をつき、処置室の椅子に座る。

「また来年、か……」

看護師さんの処置を受けていた。


「新年」
作・照守皐月/teruteru_5

1/2/2025, 7:07:47 AM