さぶろー

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「【神様へ 今度の大会優勝したいです】ですって」
「あ〜、もうそんな時期かぁ。青春だねぇ」
「本人は、結構強く願ってますね」
「でもこの子1人が強く願っても、他の部員の子が願ってないからねぇ…。あとこの子、こういう事願う割に他の部員への嫌がらせしてるし、不採用かな」
「わかりました。取り下げときますね」 

「次は、【神様へ 夫とこれからも穏やかに過ごせますように】です」
「定期的にくるやつね。この婦人は、お徳ポイント高いし、内容も叶えやすいから採用ね」
「はい。では長寿課へ回しておきますね。印をお願いします」
「はいはーい、ヨッと」

「次は…、うわっ、まただ…、【神様へ あの牛丼屋のあのメニューを復活させてください】ってここ1ヶ月毎日お願いしている子からです」
「この子か…。前も言ったけど、あれはさぁ、仕方がないんだよ。神もあのメニュー好きだから、気持ちはすごくわかる。牛丼を食べ交わしながら慰めてあげたいくらい」
「盃を酌み交わす みたいに言わないでくださいよ」

「だけどね、この世の中諸行無常で、色んな人間の色んな思いがあるから、簡単に叶えるわけにいかないんだよ。そもそもあのメニューはあの時代だから人気があったわけだし、いつまでもズルズルやってるとマンネリ化が進んじゃうから、人気が完全に落ちないうちに終わらせてしまった方が良かったんだよ。そしたら新しいメニューも開発されるわけだし、たまに復刻版と称して期間限定でやった方が有り難みが増すし。そうやってこの世の中回ってるんだよ。本当、気持ちはとてもわかるけど…」

「神さま牛丼屋の社員でした??」

4/15/2024, 4:46:03 AM