喚くようにそう叫んで、突き放す。
ずっと一人で生きてきたから、どうしていいのかわからない。
戸惑う心音。のぼせてしまいそうなほど熱を持つ頬。ふわふわ、酩酊のように。宙に浮く心地が気持ち悪くて不愉快だ。
そんなもの、いらない。
望んでなんかいない。
だというのに。
どれほど突き放そうと、酷い言葉を浴びせようと、貴方は何度でも私に笑いかけて、大きな手のひらで撫でてくる。
いやだ。これ以上は、困ってしまう。
暖かい温もりに触れる度、私の尻尾はゆらゆら揺れる。
拒めなくなる。心地良さに溺れて、貴方なしでは居られなくなる。
今日だってほら、いつもの時間。
優しい声が私を呼ぶのを、期待してしまう。
【優しくしないで】
5/2/2023, 10:18:46 AM