夜の海には月が溶けている。きみが憧れていた太陽は、おれには眩しすぎた。だからおれはこうして夜の海を眺めている。ああ、きみはついに太陽を手に入れたらしい。太陽が溶けた眩い海を。きみは永遠になった。きみの手のひらにおれが開けた穴。おれの手のひらにきみが開けた穴。そこからまだ、太陽が見える。暗い夜の海で、おれは月に手をかざす。きみの笑顔と柔らかな囁き。昼に溶けた太陽は、夜も海を漂うだろうか。
8/15/2024, 12:42:08 PM