夢にお前が出てくるのは久々だった。沖縄の海、行きつけのバーガーショップ、二人乗りの自転車、ゲームセンター、毎日顔を合わせた教室、学生寮の互いの部屋。どこに行ってもお前は声が枯れるまで笑っていて、俺も楽しくて仕方がなかった。
夢から醒めると俺は一人で横たわっていて、隣にはもうお前がいないことをまざまざと実感した。
お前も心から笑っているんだと、呑気に信じきっていた自分が心底憎いよ。お前の陰りに気づいていたはずなのに、大丈夫という言葉だけを信じて、きっとお前を取り戻す最初で最後のチャンスにさえ、俺は傍にいなかった。
10/22/2024, 3:38:53 AM