白眼野 りゅー

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 もしも君が天使だったら、君に追い付くために善行という善行を積むだろうな。

 もしも君が死神だったら、僕の魂をあげるだろうな。


【ねえ、もしも君が……】


 もしも君が蝶だったら、僕は君のためだけの花になりたいな。

 もしも君が花だったら、僕は君を照らす一瞬の光になろうかな。

 もしも君が泣いていたら、僕は黙って隣にいたい。

 もしも君が困っていたら、僕は君の道具になろう。

 もしも君が笑ってくれたら、僕は目をカメラにするつもりでその一瞬を焼き付けるよ。

 もしも君が僕より先に死んだら、僕は残りの人生を人形として生きるだろうな。

 もしも僕が君より先に死んだら、君の最期の瞬間に僕は寄り添えないってことになるから、それはすごく嫌だな。

 もしも君と僕が同じタイミングで死んだら、「奇跡だね」ってあの世で笑い合いたい。




 ――もしも君が僕の恋人だったら、こんな他愛ない「もしも」を分かち合えたのだろうか。

6/15/2025, 8:18:27 AM