かたいなか

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そろそろヒノキの花粉が終わって、イネ科の花粉が風に乗ってくる頃合いです。
さいわい、この物書きにイネ科は無害ですが、
気の毒にも重症の同僚を、知っておるのです。
のーもあアレルギー(懇願)
というハナシは置いといて、今回のおはなしのはじまりはじまり。

「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこの難民シェルターでは、滅んだ世界からこぼれ落ちた、人間やら動物やら霊魂やらが、
3食おやつ付き、レジャーもリラクゼーションも完備で、最後の生を謳歌しています。

その日はちょうど、難民シェルターも晴天温暖にめぐまれまして、
楽しくも少々しんみりな、難民フェスが開催中。
今は既に無いけれど、かつて昔に確かに在った、
自分たちの故郷、自分たちの世界の文化と情報を、
それぞれのブースで、発信するのです。

ところで
今回のお題は「風に乗って」でして
(お題回収開始)

「『王族の乗り物』って、言葉はひとつだけどぉ、
世界が違えば、星が違えば、それぞれなんだね〜」
「そりゃそうだろうな。そもそも王様の立ち位置からして、それぞれ違うもんな」

「えへへ〜。あたし、おひめさまー。
スフィちゃんは、女王様で良いよ〜」
「そうなると俺様がホトのかーちゃんになるが?」

その日は晴天温暖のため、外のアクティビティが難民にも局員にも、外部からの来場者にも大盛況。
その中には勿論、乗り物体験もありました。

王族しか乗れなかった生き物や乗り物、機械なんかがズラっとめじろ押しで、
特におとなしいワイバーンやら、不思議な乗り心地の魔法生物やらが人気の様子。
様々な滅亡世界の王族の、豪華絢爛な衣装のレプリカも貸し出されて、
参加者はそれぞれの乗り物に、ゆったり。
王族風に乗って、楽しむのです。

「王族風に乗って」って、どんな風でしょうね
(お題回収)

「ねえスフィちゃん、もう1周、して良いかなぁ」
ドラゴンの背に乗って、のっし、のっし。
気分は乗馬を楽しむお嬢様です。
「すごくね〜、ゆっくりで、リラックスできて、なにより目線がいつもと違うから、たのしー」

「別のも乗ろうぜ!遊覧船とかどうよ?」
こっちは宇宙ラクダに乗って、ぱっか、ぽっか。
気分は民情視察のファラオです。
「楽団あり、船上ビュッフェあり。
ちょっと値段はするらしいけど」

びゅっふぇ? びゅっふぇ?
耳が良い稲荷子狐、さっきまで乗馬のお嬢さんのヒザの上で、くーすぴ昼寝をしておりましたが、
食べ物の気配にパチン!鼻提灯が割れました。

「遊覧船かぁ〜」
いいなー。アリだなぁ。
のっしのっし、ぱっかぽっか。
ドラゴンだのラクダだのに、王族風に乗って楽しんで、その後は王族船のランチタイム。
それも良いでしょう。それもお題回収です。
管理局の難民シェルターは、その日は多くの賑わいをみせて、フェスも大成功に終わりましたとさ。

4/30/2026, 7:01:11 AM