このお題を見た直後に思い出したのは、やはりというか、養母の家に居た猫のことである。
片前脚を切断することになったチピという猫を皆がいじめないように、小屋をこしらえて夜はそこに入れていたのだが。日中は屋根の上が心地よいらしく、猫たちのお気に入りの日向ぼっこスポットであった。
そこから濡れ縁へ飛び降り、コンクリートの地面に降りるというのが猫たちの道であった。
ジャムという猫が、小屋の屋根から濡れ縁に飛び移ろうとした時だ。濡れ縁には空のバケツが置いてあり、ジャムは風邪気味であった。つまり、
くしゃん!
ジャンプ中にくしゃみをしてバケツに突っ込んだのであった。バケツは猫の下半身を生やしたままゆっくり転げ落ちた。ジャムはわたしの視線に気づいて毛づくろいを始めた。何でもありませんよ、と言いたそうに。
【何気ないふり】
3/30/2026, 10:18:46 AM