いつだって、心の羅針盤の指し示す方角へ歩いてきた。
それが招く結果が幸か不幸かは分からずとも、自分の気持ちに正直に生きていたいと思っていた。
だがその偉大なるコンパスは狂ってしまった。
自分は遭難した、広大で荒れ狂う海の中。
そのとき気が付いた。
自分が乗っていた船は豪華客船でもなくて、マグロ漁船でもなくて、
ただ、泥に塗れ船の形を騙る木片であると、或いは温度の無い鉄の塊であると。
あぁそうだな、これからはもう、沈む以外に無いんだ。
社会の荒波に呑まれて精神を擦り減らした。
心の羅針盤は正しかった、しかし、脆かった、耐えられなかった。
でももう必要無い、行く場所はひとつ、水底へ堕ちるだけだから
二十六作目「心の羅針盤」
曖昧がだいすきな曲を彷彿とさせるキーワード。
現在精神的な問題で執筆が難しく、日を空けての投稿が続くと思います。最近はずっとそうだったので今更それ言うのかという感じですが…。それと、いつも♡をくださる方々には本当に感謝しています。
8/8/2025, 2:24:04 AM