ハル

Open App

「好きだ」

突然だった
放課後に同じクラスの女子と友達の高原そして俺とでゴミ捨てをした帰り、高原が言いやがった
本当に突然だった

「俺さ!ずっとお前の事好きで、でもこんな事急に言うのもあれ……なんですけど!でも!……でも!今言わないと後悔するって思ってそれで!……」

すごい、俺の目の前で愛の告白がされている
友人が頭をひねって愛を伝えている
ちょっと面白い

俺はぎこちなく喋る友人を目の前に居ても立っても居られなくなり助け舟を出した つもりだった

「こんなに言ってるしさ、その……まぁいいんじゃない?」
そう言って女子の方を見た

「……OKだ!!!」

その刹那、後ろで大歓喜が起きた
大勢の女子が、校舎の隅や草むらからワッと出てきた、いや最早溢れ出てきたのだ

「やったじゃん高原!」「よっしゃ!他のクラスにも伝えてくる!」 「おーい!高原OK貰ったよ!」
ガラリと窓が開いた 「マジ!?」「ヤバ!」「草」

俺は訳が分からなり高原の方を見た
馬鹿みたいな量の女子に囲まれ、その中から俺の目をウルウルした目で真っ直ぐ見ながら
「これからよろしくな!俺絶対お前を守るから!」
高らかに宣言していた

俺はこの日、主語というものがどれだけ大切なのか思い知った

2/23/2023, 1:18:16 PM