どすこい

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「光り輝け、暗闇で」

光がさした後には、必ず闇がある。だから私には光なんて、要らない。
朝起きて、何も考えずぼうっと過ごす日々。そんな日々に光なんてない。必要がない。ただただ薄暗く、じっとりとした場所に居座っているだけ。そうしていると、光も闇も感じなくていい。安全地帯。
そばにあるフェンスに触れると、カシャンと音が鳴る。下を見ると、沈みかけた太陽が地面を赤々と照らしている。ここから飛び降りたら、もっと楽になれるのだろうか。あの光に、飛び込んだら。、、、、、、、、、、、、、、、光。
散々そんなものはいらないと言っていながら、私はまだ無意識にそれを欲していたのか。失笑。馬鹿らしい。
フェンスにぐっと力を加える。それを飛び越え、体がふわりと宙に浮く。光へ、真っ逆さま。光を感じないために、光へ向かうなんて、全く矛盾した話だ。

今更、光を感じたって遅いのに。

5/15/2025, 1:01:11 PM