maria

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「日差し」


空が闇に覆われている時は
太陽がこのほしの
私を知らない誰かの頭上にある。

空が光にあふれている時は
一面の厚い雲に覆われていてすらも
花を摘み本を読めるように
遠くから恋する人の姿を見つけ
駆け寄ることができるように
太陽がこのほしを
見捨てることはない。

たとえその眼で直接姿を見ることがなくとも
たとえ私の頭上の空が雲しか見えなくとも

母なる太陽は
雲の隙間から 日差しをもって
その両手を伸ばし
今日もこのほしを揺らして
子守唄を唄う。

たとえ誰も感謝を唱えなくとも
母はこのほしを見捨てることはない。

だから私は母にむけて合掌する。


            「日差し」


7/2/2023, 11:19:01 AM