題 愛情
「好きだよ」
そんな言葉は呪いだ。
だって・・・だって、何とも思ってなかったのに、そう言われた次の日から意識してしまっている私。
しかも、告白した当の本人は話しかけてこないくせに、私のことチラチラ見てる。
今日だけで教室で何度も視線がかみ合ってしまっている。
そんなこと言わないで欲しかった。
だって、友達だったから。
凄く大好きな友達だったから。
間違いだって言ってくれないかな。
そんな考えすら湧いてきてしまう。
ダメだよね。
相手が真剣に言ってくれたなら考えなきゃ。
そう思うのに・・・そう思うのに、考えられない。
恋愛って何?今いくら考えても答えなんて浮かばないよ。
相手のこと、大事だし、友達としてとても大切にしていきたいけど、それ以上・・・それ以上かぁ。
はぁ、とため息を一つ。
無理だ、私には今気持ちに応えることは出来ない。
でもそしたら友達じゃなくなっちゃうかな?
チラッと相手を見ると、また視線がかち合った。
・・・気まずい。
気まずさ絶好調・・・。
どうしたらいいのっ?!
私は授業中にも関わらず頭を抱えてしまう。
友達として、ずっと仲良くしていたいのに、無理かなぁ?
そう言ってみる?そしたら受け入れてくれるかな?
友達からでいいからって言われちゃうかな?
そしたら・・・また考えなきゃいけないよね。
頭が混乱して仕方ない。
とにかく今分かっていることは一つ。
好きだよって言う言葉は呪いだ。
私の気持ちは今すごーく縛られて囚われている。
この終わりのないように見える答えのタイムリミットはもうすぐ近づいている気がする。
終業のホームルームまでには答えを出さないとなぁ。
私はもう一度ため息をつくと、どうしたらいいのか再び出口のない回答を絞り出すべく考え始めた。
11/28/2024, 9:47:06 AM