『また来年、この桜の木の下で話せるといいね』
そうほほえみながら僕に言う彼女。
でも、そういった彼女はもういない
僕は彼女と同じ年齢だった。
俺が入院するようなことがあり、そのときに出会った。
彼女は僕に話してくれた。
『私はもう治らないって先生に言われてるんだ…』と、
でも、普段の彼女はそんな寂しさを微塵も見せなかった
彼女からもらった、というより、彼女が亡くなったあとに主治医からもらった手紙がある。
毎日、楽しかったと、、、僕がいてくれたから笑顔になれたと、、、そういう言葉が丁寧な字で綴られていた。
そして最後に…
言って〇〇くん(僕)に迷惑をかけるかもしれないけど、言えなかった言葉を伝えさせてください。
私は〇〇くんのことが好きでした。
みんな私のことを「可哀想な子」という目でしか見てきません。でも、〇〇くんは私のことをちゃんと見てくれました。
それがとても嬉しかったです、それと同時に生きたいと初めて願うようになりました。
短い私の人生の最後を彩ってくれてありがとう。
そしてごめんね…心残りを与えてしまったら、
でも、〇〇くんは私のことなんて気にせず好きな人と幸せになってください。それが私の願いです。
そう書かれていた。
僕はこの手紙をもらった日から決めていた。
度から今日この桜の前にきた。
彼女に約束したこの場所で伝えたい言葉
『僕もあなたのことが好きでした。』と…
お題 この場所で 伝えたい
※『この場所で』は前回のお題です。書きたかったけど書けなかったので今回と合わせてみました
2/12/2024, 10:29:56 AM