ストック

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Theme :心の灯火

また、仲間を、相棒を喪った。
同じことの繰り返しだ。
どうして、世界は、人間は争いを繰り返すのだろう。
何度となく自問した問いをまた繰り返す。
「この世界は命を掛けてまで守る価値があるのだろうか?」

長年闘い、遂に打ち倒した宿敵の言葉が甦る。
「なぜわからない。このくだらない世界のどこがいい?」
未だに心の中に棲み続ける彼に俺は言い返す。
「世界に価値があるかどうかはわからない。だが、仲間を守るためにも俺は戦う」
心の中の彼は嗤う。
「価値があるかもわからない世界のために戦って、そして貴様が守りたい仲間を喪ってもか。終わりも見えない戦いに身を投じるというのか」
「俺は、それしか方法を知らないから。命が続く限り、仲間を守るためにも、死んでいった仲間たちの遺志を無駄にしないためにも、俺は戦う。」

皮肉なものだと思う。
まさか彼の存在が、揺らぐ心を繋ぎ止める灯火になろうとは。
そっと涙を拭うと、俺は銃を手に再び立ち上がる。

~ Imagining Resident Evil 5&6 ~

9/2/2023, 10:32:11 PM