『秋恋』
恋することを、春が来ると言うけれど……
私の恋は、春なんてとっくに過ぎてしまった。
桜のような、ほんのり淡く可憐な桃色ではなくて。春風のような、包み込む温もりのあるものではなくて。
はっきりとした色で、鮮やかだけど少しドライな、さっぱりとした……まるで秋のような恋。
仲のいい友達にはバレてるし、私自身もしっかり自覚している。けれど、甘い雰囲気にはなりたくない。付き合いたいとも、大して思わない。
今のように、普通の友達より仲がいい、くらいのさっぱりした関係。
これが心地いい。
だから、このままでいい。
……やっぱり、この恋は秋でもないかもしれない。
いろんな木の実が実る秋という季節で例えるには……
私の、実らせるつもりのない恋は、とても似合わない。
9/21/2024, 10:19:41 AM