「ところでさ
どうしようもない その に
君は一体 何をよんだの」
‹空白›
嵐が過ぎた後の晴れ渡る空が
全てを持っていった空っぽの空が
綺麗で気持ち良くて好きだと
君が言った。
荒れ果てた街は見ずに
消え去った家は見ずに
手の先は空っぽのまま
君が言った。
空を見上げる瞳は潤み
呼吸の奥に嗚咽を隠し
誰も彼も居なくなった街で
君が言った。
約束を守って
君が言った。
‹台風が過ぎ去って›
ステージは完璧
観客も揃った
今宵一度限りのショータイム
裾ひるがえし
花を降らす
一度きりのワンマンショー
歓声が聞こえなくても
拍手が聞こえなくても
踊り 歌い 土を蹴り
一人一人に花を渡す
いつか皆に逢えた日に
とびきりのショーを届けるため
今はこの地で歌い続ける
今はこの地で踊り続ける
‹ひとりきり›
9/14/2025, 9:36:43 AM