日々家

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願い事

蒸し暑い空気が肌を撫でる。夕暮れの近付く空の下には多くの人が集まり、鮮やかな飾りを目にしながらゆっくりと歩いていく。屋台の匂いにつられて長い列に並びながら、笑い合う人の声が止まらず耳を賑やかす。
それを過ぎて歩き続ければ、笹の葉が揺れる姿が目に入った。用意された短冊に照れながら願いを書く人や満面の笑みを浮かべて短冊を吊るす人、様々な人達が居る。
――この何でもない祭りの一コマが、これからも続いていけばいい。
僕はそんな風にカッコつけたセリフを心の中で呟いて、冷えたビールと焼き鳥、焼きそばを買って家路についた。

日々家

7/7/2025, 12:59:25 PM