たまちゃん

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君と最後に会った日

君と最後に会った日を、僕は正直なところちゃんと覚えているわけではない。
おそらく卒業式の日だったっけ。
何せ高校を卒業したら、それ以上交流する気は、僕には全くといっていいほどなかったのだから。
昔からの悪いくせで、僕は誰にでもいい顔をしたがる。
君はずっと一人だった。
周りのクラスメイトたちとはどうにも肌が合わず、常に浮いているといった感が否めなかった。
それでも君は、毎日彼らに微笑みかけていた。
僕はそんな君につい同情してしまったんだろう。
僕の生半可な優しさのせいで、つまらない関係が数ヶ月も続いて。
いい加減うんざりしてきた時期に、卒業式がやってきた。フェードアウトするにはちょうどいい。
それからもう2年が経つ。
ときどき、君のことを思い出すこともある。
「今ごろ、何して過ごしてるのかな」って。
しかし、その回想に感情は微塵も込められていない。
君のおかげで、僕という人間の罪深さがわかったよ。
自分でいうには歯が浮きそうな台詞だけれど。
もう忘れてもいいと思う。
折に触れて「元気してる?」とLINEを渡してくれているけど、僕がそれに対してまじめに答えた試しはないし、これからもないと思うからね。
さようなら。
いずれ僕より優しい人に出会えるといいね。

6/27/2024, 5:25:07 AM