日々家

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この場所で

長い坂をただひたすらに登っていく。空は青々と澄み渡り、真っ白な雲が良く映えていた。アスファルトには焼き付いたみたいに黒い影がある。太陽が強く光り輝いて、私の体はじわりじわりと汗をにじませていく。

坂をようやく登り終え、買っておいたペットボトルの蓋を開けて一気に中身を飲み干す。視界に広がるのは空とその色を映し出す海と私の住む町。一目惚れして移住を決めたくらい大好きな景色。

――自分が生きていきたいと思える場所に出会えるとは、私はなんて幸運なんだろうか。

そんな事を考えながら、リュックに入れておいたスケッチブックと色鉛筆を取り出し、木陰の中でこの景色を残していく作業に入った。


                        日々家

2/11/2024, 11:15:37 AM