不完全な僕
西暦2XXX年。地球は高度な技術の発展を遂げ、巷には様々なロボットが溢れていた。
「あぁっ…!」
切羽詰まった悲鳴と共に激しく食器の割れる音が響く。一家に一台(一人)は当たり前のお手伝いロボット。通常ならば機械が行う作業は、人の手と違い寸分の狂いもなく完璧に全ての事柄をこなす。
しかし我が家のお手伝いロボットは。それはそれはミスも多くそそっかしい。それもそのはず。元々このロボットは製造中に欠陥が見つかり、完成することなく廃棄されるところを安く譲ってもらったものだ。お手伝いロボットとしては不完全。それでも。
「ご主人さま、すみません…」
しょんぼりと、全身で反省してますと謝る姿はなんとも人間味あふれる。全てを完璧にこなす完成されたロボットは、魅力的だけど。
また迷惑をかけてしまった…僕が不完全だから…
とか、思ってる事が顔に出てしまう不完全な君と、僕は暮らしていきたいよ
8/31/2024, 11:32:06 AM