「帰ろ」
そう言って私の隣を歩く彼は、彼氏ではない。
簡単に言えば家が隣の幼なじみだ。
そんな彼のことを私は小学4年生から思いを寄せている。
今年で高校2年生。もう好きなってから7年になるのだ。
…正直、幼なじみをやめたい。やめて彼女になりたい。
そう思って告白をするのも考えた。
けど、この関係が終わるのが嫌で、ずっと逃げてきた。
……でも、それも今日でやめよう。そう決意した。
「あのさ、」
そう切り出す私に、
「なあに」
と、聞く君はいつもよりも眩しく思えた。
「…私もうやめたい」
「え?なにを?」
「幼なじみ」
「え?なんで?どうしたの」
戸惑う彼に伝える、
「好きだから、幼なじみじゃなくて…」
彼女になりたい、そう言おうとした時、
なぜか、彼の腕の中にいた。
そして、彼は、
「俺も、」
「俺も好き」
信じられなかった。
「…泣くなよ」
そう言って、いつの間にか泣いていた私の頬を拭う。
「俺の彼女になってくれますか」
答えは決まってる。
「…はい」
そうして私たちの両片思いで、遠回りした恋物語は幕を下ろした。
まあ、終わったのは序章なのだけれど。
これからも彼とのストーリーを綴っていこうと思う。
まだまだ続くふたりの甘い恋物語。
Write By 凪瀬
5/18/2024, 1:00:56 PM