人通りが少ない道に落ちていた透明な羽根。
足跡のように、点々と落ちていた。
落ちている羽根を辿り、進んでいく。
行き着いた先にいたのは、泣いている天使。
「どうしたの?」と訪ねると、天使は肩を震わせながら「神様に捨てられて、帰りたくても飛べなくなっちゃった」と言う。
僕以外にも、地上に捨てられた天使がいたのか。
悲しい気持ちになったけど、次第に嬉しい気持ちが沸き上がってくる。
だって、仲間が出来たから。
「大丈夫。僕も、神様に捨てられたから。君は一人じゃないよ」
「う、うん……ありがと……」
天使が泣くたびに、白い羽根が抜け、透明な羽根になって落ちる。
僕は、励ますように天使の頭を撫でた。
11/8/2025, 11:49:38 PM