授業が退屈で、私は教室の窓をぼーっと眺めていた。
聞いてなくても別に問題ない授業だ。
空にある雲の長さを、他の雲と測り出していた頃だろうか
神様が舞い降りてきた。
吸い込まれるような目と、私の目があった。
「一緒に−−−」
何も聞こえなかったが、唇の動きでそう読めた。
そう言って、神様は消えてしまった。
一緒に…なんだろう。
大事なところだけ聞こえないのが神様っぽいな。
虚ろな頭のまま、私は立ち上がり廊下へと飛びだす。
いつのまにか屋上へと立っていた。
フェンスを乗り越えて、足を揃える。
風は感じない。
私も誰かの神様になれるのだろうか。
そんな事を思った瞬間、私は空に足を踏み入れた。
身体が下へと落っこちる。
空中落下ってこんなに気持ち悪いんだ。
一瞬だと思ったのにスローモーションで流れていく。身体の中に空気がねじり込んでかき混ぜてくるような、そんな感じ。
地面をみると、さっきの神様がこちらに手招きしている。
神様……あ、そうだ。窓を見てみよう。
そう思って視線を窓に移した。
ガタンッ
目を開けると、教室だった。
夢か。
授業は終わり、どうやら休み時間のようだった。
次の時間は自習だ。
またあの神様に会えるといいな
そんな事を思いながら、また眠りについた。
7/27/2024, 12:02:36 PM