さらさらと風が流れ、さらさらと砂が流れ、さらさらと時が行く。そうして少しずつ褪せていくのだと。
僕は朽ちていくものがすき。過去になって、そこにいた人の温度や思いが目に見える形で残りながら風化していく。そんなところがすき。だから、ここがすき。
いつでも散歩がてら、夕暮れのメランコリックに浸れる。
少しずついなくなる人。少しずつ空いていく家。少しずつ減っていく店。少しずつ消えていく文化。あぁ美しい。
だけど、僕だけじゃない。ここにいるのは、僕だけじゃない。だから。
楽しいを作ることにした、みせることにした。
ここにも本当はあるのに、気付かれにくいすてきなものを、僕が集めてみんなに教えてあげる。気付いて、好きになって、そして根付いて、広がって。
そうしたら人が増えるかもしれない。廃墟や懐かしい風景は消えるかもしれない。それは、僕のすきなものが減るってことかもしれない。
けど、だいすきなこの場所は続いていくから。それもいいのかもしれない。
〉心と心
(このままでいてほしい、でもなくなってほしくない)
12/12/2022, 11:32:52 AM