完璧な社会秩序の姿を箇条書きで刻む。
枠から外れないように。
失態を犯さないように。
信頼を損なわないように。
身体という身体を隙間無く描き詰めて、黒くなる。
そうだ、本質なんて変わらない。
大人は子供だったんだから、子供だって大人と大差無いことを思う。
目立ちたく無いからと多数のふりする。教室があまりに狭く見える。
“常識”って表紙書かれた生きるマニュアルを、みんな揃って机の上に広げて、先生が教壇に立って読む。
優等生は通る声で述べる模範的答えに自信気だ。
百点満点の道徳の答えを導いて、満足気に頷く先生。
「答えなんてないんだよ」
と言いつつも答えは必ず存在していました。
不正解はありました。間違いはありました。
「それは違うでしょう?」
と諭されるだけなのでした。説得させられて、異物を飲み込んで歪んで。
「そうですね」
「分かりました」
どうにも作る笑みに粘り気のある音がして、全てを洗いたくなる穢れを感じました。
教えなのか洗脳なのか、よく分からなくなってくるんです。
配られたチラシのSOSナンバー。
大きな鼓動の音抱えて電話マークに指吸い込まれた。
ぽつり語れば電話越しに聞こえた溜息。
声に被せてくる素っ気ない相槌。
『誰にでもくる時期だ』と丸め込まれて、
『いつでも君を支えるよ』と言いつつも、
『それは当たり前だから大丈夫だよ』とただ突き放されるだった。
僕ら人間は自分の体面守るのに必死なんだね。
白白しく良い顔してわざとらしく良い姿見せつけて計算して幕に入り込みヒーローを演じて自分の存在価値を自他共に認めさせるのが常なんだね。とても弱いんだね。
そう生きるのがどうであれ、結局は賞賛されるから。
群れだから助け合うわけでもないから。
あまりに綺麗な人には触れられない。優しいわけじゃない、ただ“まだ知らない”それがたまらなく見ていて危なっかしい。
蛇に睨まれる。まるで僕がドブネズミだって言いたいようだね。
聳え立つ校舎には、『悪を正す』って太文字で書かれた布がひらひらと緩やかな春風に広がっていた。
青空のもと、粗末に着こなすスーツとがなるような笑い声が、卑しくてたまらない。教師を名乗るあまりに胡散臭い奴が人望を集めているのを見る限り、僕がただの馬鹿で滑稽な奴なんだろうね。
その掲げられた大層素晴らしいテーマが気に食わない。
どこの誰かの基準に嵌められて、出された「優勢」ってレッテルが、僕の首を締め続けます。
優勢ならば「好きです」と言われ、
劣勢ならば「近寄るな」と言われ。
何を食べたら優勢や劣勢から抜け出せますか?
自分が正しいと信じて疑わないから、タチが悪いんだ。
4/4/2025, 7:37:33 AM