愛を叫ぶ…(゜゜)…世界の中心で?
困った…。
…。
それぞれのキャラに聞いてみよう。
────────────────────────
屋上にて。
「愛を叫ぶ?叫んでどーすんだ?」
学生服を着た青年は、意味がわからないと顔を顰めている。
「さあ?叫べば通じるとでも思ってるのかしらね」
青年の隣にいる学生服姿の少女は、表情も変えずに淡々とした口調で言った。
「人のこと言えねぇけど、お前って相変わらず冷めてるな」
「そうかしら?」
眼鏡の奥にある瞳は氷のように冷たい。
童話の金のガチョウで笑わない姫というのが居たが、その姫の目より絶対、目の前の彼女の方が冷めているという謎の自信がある。
「誰かがお前に愛を叫んだところで、お前には通じないんだな」
「五月蝿いから黙れとは言うわよ」
「怖っ」
────────────────────────
研究所にて。
「愛を叫ぶ?何だろう。こう言うとおじさんくさいけど、青春だね」
研究所の主は、のほほんと言った。
「青春ですねえ」
返事をする助手も、のほほんとしている。
「君は、好きな人に愛を叫ばれたいとか思わないの?」
「叫ばれるより、囁かれたいですね。うるさいのはちょっと…」
恋愛モノでありがちなシチュエーションなので、女性は好むものと思っていたが、違う人もいるようだ。
「なるほどね。これって、言ってる本人は気持ちが盛り上がっちゃってるだろうけど、受け止める側が冷静だとすれ違いそうだよね」
諸刃の剣だ。と研究所の主は苦笑しながら呟いた。
5/11/2024, 12:20:41 PM