魔っパの代償

Open App

御母が認知症になった…

色々な事ができなってきてた

もうフレイルは迎えていた

もう少しも何時でも…

どうなってもおかしくない

そんな状態が何年も続いてた


ある日 

朝方に話し声が聞こえてきて

御母の部屋に行くと

祖母の遺影に話しかけてる

満面の笑みで話してる


「おはようございます」

「今日もイイ天気だね!」


そう私は話しかけた…


そうする御母は振り返り優しく笑い話してきた



「品川の現場で安全確保を怠らずに…」



私は何それと思いながらも

冷静に考えてみた…

御母は昔々鳶職の会社の事務員をしてた…

きっとその時に頭の中で戻っているのかも…


私は笑いながら涙が溢れていた…

建設会社の事務員さんになった御母さんに


「ハイ!今日を安全確認をして…」


そう応えて、

そう話しかけてから…

両手を広げて御母さんを優しく包んだんだ…


昨日の朝はさみしくて優しい朝だったんだ…

いつか…

私のことも過去もすべて忘れてしまう…


母を思う歌が記憶とかけ離れて溢れてきた…



周りの私利私欲に惑わされ

子育てを怠ったり時に放棄した御母様

子育てよりも実家の家督に生きた人…


なのに涙が止まらない…

あんなに憎んでいたのに…

握る鉛筆で爪が剥がれるくらいに…

痛い思いさせられてきたのに…

……

呆けた母ちゃんが遠く見てる…

病院のベッドの上で…

俺の少年を探してる…

俺は何故笑うんだいと聞くと

また遠く見て…

長渕剛 MOTHER





9/1/2025, 9:23:07 PM