【時計の針が重なって】 深夜零時。 時計の針が重なって音を止めた瞬間、世界も呼吸をやめた。 街灯は瞬きもせず、人々は笑顔のまま固まり、風さえ凍りつく。 ただ一人、僕だけが動いていた。 その理由を知るために、重なった針の隙間に手を伸ばしたとき――、 冷たい何かが握り返してきた。
9/24/2025, 1:17:21 PM