ひんやりと冷たい水の底
ゆっくりと対流する水の流れが
服をゆらゆらと揺り動かす
濁った水の中を泳ぐ小魚
水の中で絡み合う流木
静と動のオブジェクト
そのどちらでもない私
そろそろあそこに戻らないと
思い立ってみたところで
身体が全く動かない
溶けた眼球で腕を見ると
そこに揺蕩う白い骨
白い指から除く隙間に
鈍く広がる薄暗い水面
あそこにはもう戻らない
あそこにはもう戻れない
すぐそこにある筈の境界線は
私にとってあまりにも遠い
もう逃げられない私には
「−現実逃避−」
2/27/2023, 3:41:16 PM