Morris

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貴方はいつもの帰り道を歩いていた。
いつもと違うところを挙げるのなら、咲いている花に目を惹かれるところだろうか。微かに漂う花の香は、貴方に気付いてもらおうといわんばかりに強くなり始めた。
無視することもできなかった貴方は、その香りに誘われて足を進める。見知った道は知らぬ道へ、黄昏時の空は宵の口へ。
迷子になったのではないかと不安になる貴方を慰めるように、目の前に扉が現れた。

「A bouquet of flowers for」

来た道は深い闇に閉ざされて、貴方に残されたのは扉を開けるという選択肢のみ。開けてみれば、花屋のような部屋で、紙には指示が書かれていた。

「この部屋は誰かに感謝や労いの気持ちを表さないと出られません。その人のことを想い、考え、心を込めて花束を完成させましょう」

──誰のことを考えましたか?


『──誰かのための花束を』

お題「花束」

2/9/2024, 10:30:24 AM