暑い暑い七月の昼過ぎ
熱した鉄板のようなアスファルトの上を
鳩が一羽
うろうろ歩いている
よう 可哀想な鳥よ
そんなところに
お前の食べられそうなものはあるのか
いくら飢えたとて
その小さな足に火傷を作るなよ
お前は俺と違って
昼のあいだでも
日陰で休むことができるのだから
俺かい
お前と同じようなものさ
この暑い時間に
太陽に灼かれながら
滝のような汗を流して
茹でられるような思いをして
人の昼飯を運んでは
わずかな駄賃をもらっているのさ
それもこれもみんな
飢えないためだよ
だが俺はお前と違って
靴というものを履いているし
頭に帽子もかぶっているけど
お前にはそういうものもない
だから
お前がその小さな足に火傷をこしらえて
夜の涼しい頃になっても
その痛みに眠れなくなるのではないか
俺はただ
それだけが心配だよ
鳩はなにも答えなかった
7/19/2023, 12:59:28 PM